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短編集・読み切り



 高取が岡本の体に一番最初に書いたのは

他愛もない悪戯書きだった。

 文字ですらない、ただの落書き。

 何をされるのかわからず怯える岡本を脅

して服を脱がせ、パッと思い浮かんだそそ

り立つそれの簡単な絵を何も考えずに書い

た。

 魔法のマジックペンなんてあるはずない

…そう思っていたから。

 一度では上手く書けなかったそれに重ね

るようにして上から書いた時にはもう、触

れてもいない青年の股間がハッキリと膨ら

んでいた。

 岡本自身も訳がわからなかったようだっ

たが、どうすることもできずに怯えるその

目を見たら意地悪をしたくなった。

 何も知らない岡本を変態呼ばわりして、

目の前で扱けと命令した。

 嫌だと逃げ腰になった彼の股間を手加減

無しで鷲掴みにしてやると岡本は怯み、そ

のまま帰るつもりかと冷たく笑ってやった

ら涙をこらえて観念したようだった。

 しかし一度果てても二度果てても、いき

り立ったそれが萎えることはなかった。

 三度、四度と繰り返しても結果は同じ。

 イキすぎて岡本がすっかり疲れてしまっ

ても、それはずっと天を突いたままだった。

 ショックを受ける岡本をそのまま帰し、

翌日学校へ来た彼の股間がまだ膨らんでい

ることに気づいた時、高取は確信した。

 悪魔の言ったことは本当であったと。

 結局岡本の股間が熱を失ったのは落書き

をしてからきっかり48時間後で、それま

での間何度放っても、逆に膝や靴の裏で痛

めつけても彼の股間は萎えなかった。


 魔法のマジックペンの効力を確認してか

ら高取は親や嫌いな教師、気にくわない同

級生に片っ端から落書きをして大なり小な

りの不幸をもたらし憂さを晴らした。

 しかし彼にはもう一つ確認しなければな

らないことがあった。

 悪魔が言ったもう一つのこと。

 ペンの効力を消したかったら、書いた者

が書かれた者を精で汚さなければならない。

 さて誰で試そうか。

 そう思った時に岡本を思い浮かべてしま

ったのは単に同じクラスにいたからか、そ

れとも萎えない股間に打ちひしがれる上気

した顔を思い出したからか。

 だた条件を考えれば試せる相手は限られ

るということは確かだった。

 だからいつもつるんでいる連中に声をか

けて彼をマワした。

 そういう空気にしてしまえば後々の悪戯

もやりやすいと思ってのことだった。

 最初こそギョッとした顔をした者もいた

が、2日も股間を膨らませていた青年の顔

を思い出したのか渋い顔をしながらも了承

してきた。

 尻にオナホと書いた岡本を放課後、体育

倉庫に呼び出した。

 あんなに渋い顔をしていた同級生達が目

の色を変えて彼に飛びつくのを見て呆れな

がら初めて奥を穿たれ泣き叫ぶ岡本をじっ

と見つめていた。

 一番最初に手を出さなかったのは、手を

出すことで魔法が消えてしまうのを恐れた

から。

 誰に汚されても落書きが消えないのを確

認してから、自分で汚して消えるのかを確

かめなければ意味がない。

 だから一番最後でいいと真っ先に宣言し

て積み上げられたマットの上に落ちつけた。

 我先にと飛びつく同級生に囲まれ、体を

押さえつけられて泣き叫ぶ姿は性別など無

意味だと思うほどにそそられた。

 自分は至ってノーマルだから、おそらく

それも魔法のマジックのせいだと思われた。

 1人…また1人と岡本の中で果て、満足

して離れていく。

 自分を残して最後の1人が果てた時には

もう泣き叫ぶ彼の声は枯れ、抵抗する力も

失せていた。

 オナホと書いた時には滑稽にすら見えた

文字が、複数の人間の混じり合った精液が

尻穴から零れる様子と共に見ると胸を掻き

立てられるほど欲情を刺激された。

 全員で回している間にすっかり日が暮れ

ていたこともあり、用は済んだと帰ってい

く同級生を見送って岡本に近づいた。

 ピクリとも動かないまま虚ろな目で見上

げてくる彼の前に立ち、おもむろにズボン

の中から取り出して数回扱くとそのまま岡

本の背中に放った。

 すると夕日の差し込む倉庫の中で彼の精

に濡れた体からスーッと幻のように落書き

は消えてしまった。





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