短編集・読み切り
◆
「触んなって言ってんだろっ」
「らって、溢れちゃう」
俺のチ●コをくわえながら喋る島崎の口
の端からまた唾液が溢れて、その唾液を押
し上げるようにして島崎の指先が蕾の表面
を繰り返し擦った。
だがそれは俺のチ●コを吸い上げる度に
繰り返されて、濡れた指先に繰り返し撫で
られるむず痒いような違和感と心の中の焦
りと緊張がせめぎあって俺を困惑させた。
蕾を撫で上げる指先が中に入ってきたら
どうしようという不安も、チ●コを愛撫さ
れる快楽に薄らいでいってまう。
そもそも島崎は焦らし過ぎだ。
ずっとイキたくてピクピク震える俺のチ
●コの屹立具合を分かってて、どうしてフ
ェラに専念しないのか。
あとほんのちょっと長く吸い上げてくれ
たら、竿を扱いてくれたら、すぐにでも下
肢の熱を開放してしまえるのに。
胸の奥のモヤモヤにこれ以上悩まずにす
むのに。
「も、はや…あっ…!」
早くと急かそうと言葉を発しかけた刹那、
先ほどからしつこいほど蕾を擦り上げてい
た島崎の指先が唾液と先走りの滑りのせい
かほんの少し蕾を押し広げた。
「バッカ、抜けっ!」
驚いてとっさに蕾がキュッと締まり、俺
のチ●コを咥えたままの島崎の頭をペシッ
と叩く。
が、島崎の歯が射精寸前のチ●コに当た
ったことにちょっと怯んでいる間に緊張の
緩んだ蕾の奥へと指先がずるっと入り込ん
でくる。
「島崎っ、テメ…っ!」
感じたことのない異物感に困惑すると同
時に勝手なことをする島崎に無茶苦茶な怒
りが湧いてくる。
チ●コさえ咥えられていなければその頭
をボコボコに殴って金玉の一つや二つ踏み
潰してやりたい。
初めて体内で感じる島崎の指先の存在感
は凄まじく、そんな場所を他人に暴かれて
いる羞恥だけでなく普段気にも留めていな
い島崎の指先が体の奥へと入ってきている
のだという無視できない圧迫感が同時に襲
い掛かってきた。
チ●コさえあんな状態でなければさっさ
と島崎をひっぺがしてボコボコにしてやる
のに、指先に力が入らない。
怒りや困惑さえ快楽で流そうとする島崎
が憎らしくてたまらないのに、それでも今
は何も出来ないもどかしさがそれを増幅さ
せた。
コリッ
「ぅぁッ…?!」
せめてその髪をグチャグチャに掻き回し
てやろうと指を動かしかけた時、島崎の指
先が体の奥を擦った。
条件反射のように体内に入り込む指先を
蕾の縁で締め付けると同時に変なふうに喉
が震えて上擦ったような声が出てしまう。
自分の体の事なのに何が起こったのか分
からず不安になったが、目を輝かせながら
島崎が顔を上げた。
俺の勃起チ●コはさんざん先走りを搾り
取られたのに中途半端に放置されて切なく
疼いているというのに。
「ここ?ここ、感じてるよね?」
「やっ、あっ!擦んなっ…!」
ソファの端を握りしめても同じ場所を繰
り返し擦り続ける島崎の前で腰の揺れを隠
すことは出来ず、俺の意思など関係なく体
内に埋まる島崎の指を蕾が締め付けた。
乳首やチ●コを弄られた時とは違う、剥
き出しの神経を直接擦られているような気
さえする。
おかしい、こんなの俺の体じゃないと思
うのに、揺れる勃起チ●コは透明な体液を
流す。
足の先から脳髄までピリピリとした感覚
が走り、思考回路まで掻き乱される。
様々な感情や思考を揉みくちゃにされな
がら、蕾で感じる島崎の指先の感触だけが
妙にリアルだ。
「も…抜けっ、んぁっ、バカ!」
「でももうイッちゃいそうじゃない?
このままイッてみようよ、ね?」
ふざけんなっ!!
寝言戯言と脳内で言葉を選ぶ余裕もなく、
今にも消え入りそうな理性に齧りつきなが
ら首を横に振る。
望まぬ場所を暴かれ、あまつさえ好き勝
手を許さなければならない状況の中で、俺
の意思に反して大量の先走りを溢し腰を揺
らす体は精神と分離しかけている。
悔しいのは、島崎の言う通りに体内を擦
られ続けるこの状況でチ●コを少しでも吸
い上げたらあっけなく射精するだろうとい
うことは火を見るより明らかな事だ。
そんな所を擦られながらイキたくない。
でも先程から苦しいくらいに体は限界を
訴えていて、気を緩めればすぐにでも達し
てしまいそうだ。
期待と好奇心の混ざった熱い視線すら鬱
陶しい。
「んっ、んぅっ…!」
余裕のないところなんて見せてやるもの
かとそっぽ向いて声をくぐもらせる。
それが今できる精いっぱいの抵抗だった。
「なんで声抑えちゃうの?
もっと可愛い声、聞かせてよ」
うるさいっ。
バカ島崎め、落ち着いたらギタギタにぶ
ちのめしてやるっ!
最後の意地を奥場で噛み締める俺の鼻の
奥から熱い吐息が通り抜ける。
体内を巡る熱量が噴き出す瞬間を待ちわ
びながら体の中を渦巻いている。
穴に指を突っ込まれたままイキたくなん
かないけれど、いつでも熱を噴き出せるチ
●コと痺れのせいで上手く手に力を入れら
れない状況がそれを許容する以外にどうし
ようもないと俺に現実を突き付けてくる。
もうこの状況には我慢して目を瞑り、一
刻も早く体内で暴れる熱を開放するしか終
わりはないのだと。
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