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短編集・読み切り



 初めてだから気を遣って…という前にも

っと気遣うべき点があるだろう。

 しかしそんな言葉を投げたところで本当

に今更だ。

 ぬるぬると滑る無骨な掌に性器を扱かれ

ながら、腰を突き出す様な体勢からどうに

か逃れられないかと体を捩る。


「ハハッ、芋虫みたいだ。

 無駄だよ、センセ。

 どんなに大声出しても誰も来ないし、そ

 んな恰好で俺から逃げ切れると思ってん

 の?」


 上から容赦のない残酷な言葉が降ってく

る。

 改めて自分の置かれた状況がどれだけ不

利か再確認させられる。

 それだけでは飽き足らず、背中越しにぐ

っと横顔に顔を近づけてきた。


「そうやって腰振ってると欲しがってるよ

 うにしか見えないけど?」


 思わぬことを言われて束の間体の動きを

止めてしまった。

 何者かは狙ったようなタイミングで入り

口付近で抜きかけるような動きをしていた

指の束を一気に奥まで突き入れてきた。

 それこそ傷がついても構わないような乱

暴さで貫かれて一瞬呼吸を忘れた。


「うあッ…!」


 しかも指3本の圧迫感は生易しいもので

はなく、指を出し入れされる度に内臓を内

側から引っ張り出されたり押し込まれたり

するような感覚に襲われた。

 たかが指だと言い逃れのできない圧迫感

は確かに“犯される”という言葉の意味を

じわりじわりと体に染み込ませていく。




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