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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 スケートを程よく楽しんで体が温まって

くる頃に俺達はリンクから上がった。

 ちょうどタイミングを見計らったように

迎えにきた車に乗って昼食を食べにレスト

ランへ。


「えっ…あの、ここ…?」

「せや。どないしたん?行こ」


 クリスマスの飾りつけがされたオシャレ

な店に入るのを躊躇っているとクロードに

手を引かれた。

 こんな服で場違いじゃないのかとビクビ

クしている俺をよそ目にクロードは予約の

旨を伝えてずんずんと足を進めてしまう。

 奥の個室に案内されて腰を落ち着けた時

には、店の雰囲気に合う落ち着いた高級感

のある室内に焦りながらも人目がないこと

にほっとしてもいた。


「今日はクリスマスの特別メニューでえ

 え?

 他にもなんか食べたいのあったら頼んで

 ええし」


 クロードが開いて差し出してきたメニュ

ーは流れるような筆記体のアルファベット

が並び、一言二言説明書きが日本語で添え

られている。


「…クロードと同じのでいい」


 ひとつひとつ確認するのも怖いけれど、

高級食材の名前がずらりと並ぶメニューは

金額表示がない分だけ余計に怖い。

 こんな店に来て本当によかったんだろう

かと思いながら首を横に振ると、クロード

はニッコリ笑ってメニューをウェーターに

手渡す。


「じゃあ予約してたメニューで」

「Xmasスペシャルフルコースランチでござ

 いますね。

 かしこまりました」


 す、スペシャル!?

 トリュフとかキャビアとかフツーにメニ

ューに載ってる店のスペシャルって何!?


 ウェーターが優雅に一礼して出ていくの

を言葉も出ないまま見送ってから、クロー

ドに視線を戻した。





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あきゅろす。
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