[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「…そろそろ何処に行くのか教えてくれて

 もいいんじゃないか?」


 悔しいのでクロードの体を離そうと試し

に押してみるがびくとも動かない。


「行ってからのお楽しみや。

 心配せーへんでも変なとこ連れ回さんさ

 かい安心してや。

 …ところで、それは“誘い”やって思っ

 てええの?」

「ぁっ」


 窘めるようなタイミングで耳の端を舐め

上げられて体が震えた。

 とっさに力の抜けた俺の手を掴んでその

口元にもっていく。


「今日は俺がエスコートするさかい、駆は

 俺に全部任せてや。

 悪いようにはせーへんよ」

「あっ、やだっ…!」


 耳に吐息をかけられて甘噛みされると体

がビクビクと震えてしまって両手でクロー

ドの体を押し返す。

 運転席とこちら側が黒くスモークのかか

ったガラスで仕切られていたのは幸いで、

変に上擦った声を運転手に聞かれなかった

ようでホッとする。

 クロードもそれ以上はするつもりがなか

ったのかそれ以上の追撃はしてこなかっ

た。

 ほっと胸を撫で下ろしながら鼓動がう

るさい心臓を鎮める。

 朝からこんなで今日一日もつのだろう

かと不安になりながらクロードの腕の中

から窓の外の景色を眺めた。





[*前][次#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!