悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
…くたり
名前も知らない人間が気を失って腕の中
に倒れ込んできた。
“食事”が終わってしまえばその体はも
はや邪魔でしかなく、その路地裏に崩れ落
ちるままにした。
口元を拭って乱れた衣服を整える。
“食事”のほうの衣服など気にもならな
い。
当人だってどうせ寝覚めたら、酔っぱら
って寝てしまったのだろう位に思うだけ
だ。
“次”があるわけじゃない餌に興味はな
い。
まだ気を失ったままの餌を放置して踵を
返し、道に戻って再び夜の街に溶け込む。
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