悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
フェロメニアが兄を誘惑したのか、兄が
フェロメニアを攫ったのかは分からない。
その手枷をされたままフェロメニアが喜
んで体を開いたのか、あるいは幾度も穿た
れている間に頭の芯から快楽漬けにされて
理性を手放したのかも。
ただ…その相手は自分でありたかった。
触れることすら許されない甘い静寂の中
で胸が焦げる。
恋より激しい熱情が心臓を燃やしてしま
わないかと思うほどに。
“たかがフェロメニア”
そう思っていた自分が恨めしい。
フェロメニアが至高の甘美とまで言われ
る…その理由を、胸を焦がしながら初めて
知った。
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