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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 とりあえず咳払い。


「莉華、新入生が怯えてドン引きしてるか

 ら。そこのとこ忘れないようにね。

 弱小部なんだから、部員少ないと部費減

 らされちゃうでしょ」

「そうですわねぇ。それは困りますわねぇ」


 のほほんとあごに手をあてている。

 ようやく戻ってきたみたい。


 場が落ち着いたので自己紹介。


「あたしは片岡恵。新聞部の副部長ね」

 別名、莉華ストッパー。

「莉華はこんなんだけど、他の部員はマト

 モだから安心して。

 それで…君たちは?」

「まぁ!恵、あんまりですわ。

 それじゃまるで私一人がおかしいみたい

 じゃないですの!」


 横で莉華は拗ねているけど、とりあえず

スルー。


「あ、俺は桐生駆です。

 こっちは加我(かが)」

「加我誠一郎」

 桐生弟の横に居た無口な奴がようやく口

を開いた。


「同中?」

「いえ、出席番号が近かったからなんとな

 く話してて、どうせなら部活見学一緒に

 行こうかってなって」


 もともと中学が同じなら知った仲で一緒

に行動したりもするけど…加我はつい今ま

で空気みたいになってたような。


「………」


 突き刺さるような視線。

 不満アピールをしてくる莉華の眼差しに

やれやれと肩を落とす。


「莉華、新聞部の説明はもう終わったの?」

「そんなの恵がしてしまえばいいんですわ。

 どうせ私はおかしいんでしょうから」


 頬をぷっくり膨らませてぷいと横を向く。

 …子供か。





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