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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 本当に、龍神なんているのか…?


『うん。いるの。

 いるからずずいっと中へ行きなさい』


 そ、そんなこと言われても何も見えない

んだけど…。

 夜が明けてから出直したらダメなのか…

…?


『うん。ダメ』


 ……取りつく島もないな…。


 仕方ないな、と壁伝いに歩いていく。

 しばらくすると何か蹴とばした感触があ

った。


「わっ!?今なんか蹴った。

 今の何?!」


 声が反響したと思ったら、辺り一帯が紫

色の光に包まれた。

 夜目に慣れていた目には眩しすぎて、思

わずゴシゴシと目を擦った。


「…人の眠りを妨げる無粋者は誰ですか。

 事と次第によっては容赦しませんよ?」


 ようやく目が慣れてきた頃に目の前に気

配が現れた。

 目の前にいたのは…


「あ、兄貴っ!?」

「アニキ、とは何ですか。僕は龍神。

 このあたり一帯を仕切る龍族の神です」

「えええぇぇぇっ!?」


 しかし言われてみれば…確かに兄貴だけ

ど兄貴じゃない。

 銀髪は腰より長く束ねらてもない。

 いつも青い目は青紫色に変わっている

し、爪がありえないほど長く鋭い。

 よくよく見ると耳は人のものとは思えな

いほど細く尖っている。
 
 でも一番信じられないのはその頭にある

“角”

 雄牛の角に似た形の角で思わず二度見し

てしまった。





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