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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「ホント、悪ノリしないでってばっ」

「これからもナマ乳揉ませてくれるんなら

 いいですわよ?」


 そう笑いながら胸を揉み続ける莉華。

 莉華の中でどこまでが悪戯の域なのか、

境界線がわからなくなって混乱する。

 明確に嫌だと言えば莉華は必ず手を引い

てきたのにどうして今夜はそれが通用しな

いのか理解できない。


「ねぇ、恵?

 私に触られるのは嫌ですの?」

「嫌って言うか、なんて言うか…ちょっ、

 揉まないでったら」


 莉華を止めるのになんと言えば言いのか

私が迷ってる間にも胸を包み込むようにし

て触れている手が遠慮せずに揉むものだか

ら思わず莉華の手首を掴んでしまった。

 でもボディソープで泡まみれの手だった

から滑って上手く掴みきれない。


「あら、ここ尖ってきてますわよ?」


 コリコリ


「んっ、変な触り方しないでってばっ…」


 耳元に響く莉華の声がいつもと違う。

 ふざけた声でも、甘えた声でもない。

 艶を含ませたような声で耳元に囁きかけ

ながら、指の間で突起をこねくり回してい

る。

 莉華でなければ、悪ふざけで片付けられ

なければ、こんなこと……。


「本当に嫌ならこんな反応するのって変じ

 ゃありませんの?

 まるでもっと触ってほしいみたいに指に

 吸い付いてきますもの」


 体を逃がそうとしても背後には莉華本人

がいるから体の逃がし場所がない。

 触れないようにと体を丸めても、逆に莉

華が隙間を許さないようにピッタリと体を

くっつけてくる。

 ソープで濡れた莉華の指先と背中にあた

る胸の感触に、耳の奥では鼓膜がおかしく

なりそうなほど鼓動が暴れている。

 莉華を止めるほど頭の回転が追いつかな

い。

 ただ滑る手を懸命に掴みとろうとしてい

たら、突然耳の端を食まれた。

 ひゃぅっ!?とか、不意打ちに変な声が

一瞬喉の奥から飛び出す。

 食まれた部分に意識が集中して熱が集ま

っていき、耳の奥で煩いくらいに暴れる鼓

動すら一瞬聞こえなくなった。


「ふふっ、緊張してますの?

 可愛い」

「もう…変な悪戯やめてって…」


 可愛いなんて形容詞は私なんかより莉華

のほうが言われ慣れているはずで、でもそ

んなことどうでもいいくらい莉華の手つき

がただの悪戯には思えなくなってきて困惑

を通りこして泣きたくなった。





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