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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「じゃ、じゃあ私は先に続きしてるから」

「いいじゃないですの。

 一緒に入りましょう?」


 脱衣所を出ようとしたらすかさず腰に莉

華の腕が巻き付いてきた。

 お人形さんみたいに可愛い顔で笑いなが

ら、ブラだけになった上半身をぴったりと

私の背中に押し付けてくる。

 控えめな膨らみは下着一枚になると感触

も生々しくて、いきなり抱き着かれた驚き

とセットでドキドキしてしまう。


「い、いやいや、恥ずかしいし…!」

「女同士じゃありませんの。

 一体何が恥ずかしいんですの?」

「だから、その、色々と…」


 何かいい言い訳はないかと探しあぐねて

いたら、胸元が急に楽になった。

 一瞬わからなくてポカンとしてしまった

けど、莉華が服の上から手さぐりでフロン

トフォックを外したんだと気づいて耳に熱

が上った。


「ちょっ、ちょっと莉華…っ!」


 悪ふざけにしてはやりすぎだとたわんだ

ブラごと胸元を押さえたら、今度はベルト

に手がかかって身をよじってみたけど見事

に抜き取られてしまった。


「莉華、やりすぎ…っ」

「だって恵が一緒にお風呂に入ってくれな

 いって言うんですもの」


 子供のような上目遣いで拗ねる莉華の手

にはしっかりベルトが握られていて、いつ

もにはない変な強引さにこっちのほうが困

惑してしまう。


「もう…わかったからベルト返して」


 じっと上目遣いで訴えるように動かない

莉華を前にとりあえず折れることにして、

片手を差し出して促す。


「本当に一緒に入ってくれますのね?」


 迷うような短い間を空けて手の中にベル

トが返ってくる。

 やることが強引なくせに言葉には不安が

滲んでいて、そのアンバランスさが…なん

ていうか莉華らしくないと思った。


「やりすぎたと思うんだったら、もうしな

 いの。

 わかった?」


 幼い時のようにぽんぽんと頭を撫でる。

 それは“もういいよ”の合図で、そうす

るといつだって莉華の笑顔が戻る…はずな

のに、今日の莉華の表情は晴れなかった。


「だってもう時間がないんですもの…」

「え…?」


 俯いて小声で呟く声は半分以上聞き取れ

なくて、服を脱ごうとしていた私はうっか

りそれを聞き逃しそうになってしまった。

 でも莉華はサッと表情を笑顔に変えて、

さっさと服を脱ぎ始めてしまった。





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