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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 どんなに可愛いデザインでも一緒につけ

てくれる相手がいないんじゃ寂しいだけか

な、と思っていたら声をかけられた。


「可愛らしいデザインでしょう?

 よろしければお出ししましょうか?」

「あ、いえっ…」


 キレイな店員さんに突然声をかえられて

思わず声が裏返ってしまった。

 まさか財布を持ってないから見てただけ

ですなんて言えない。


「お待たせ。

 …あら?どうしましたの?」


 振り返ってみたら二人分のクレープを持

った莉華の姿が。


「あの、友達待ってただけなんでっ」

「最近ではお友達同士でもお揃いのアクセ

 サリーをつけますよ」

「“ペアアクセサリー”?

 どれを見てたんですの?」


 莉華が来たからこの場を去ろうとしたら

キレイな店員さんが何かを察したような営

業スマイルで追い打ちをかけてきた。

 莉華も莉華でショーケースの中をキョロ

キョロしていてとても立ち去れる雰囲気で

はない。


「…右から7番目のやつ」


 渋々ながら明かすと、莉華はショーケー

スの中のアクセサリーを数えてピタッとそ

こで視線を止めた。


「あら、可愛い。

 ハートがクローバーになるんですのね」

「う、うん。

 でもまた今度にしよう。ね?」


 まさか「今は手持ちがないから」なんて

言えない。


「何言ってるんですの。

 売れてしまったら買えませんのよ?」


 そう言う莉華に二人分のクレープを押し

付けられた。

 迷うことなくキレイな店員さんにショー

ケースから出してもらっている莉華には後

でちゃんと払おうと心に決めた。

 手の中で温かいクレープにチラリと目を

向けると、片方にはラズベリーやブルーベ

リーの果肉にピンク色のジャム。

 もう片方にはナッツにメープルシロップ

っぽいのがかかってるのがチラリと見え

た。

 好みまでバッチリ分っているのも長い付

き合いだからだろうけど、なんとなく一方

的に奢られてるだけみたいで気が引けてし

まう。





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