悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
翌日は学校を休んだ。
体調が悪いと言ったら母は心配しながら
もゆっくり寝かせてくれた。
昨夜はなかなか寝付けず、やっとうつら
うつらし始めたと思ったらあの時の悪夢を
見て目が覚めた。
目が覚めるなり脱衣所の洗面台に走っ
た。
洗面所で吐いた。
もう胃は空っぽで吐く物などないのに吐
き気がとまらなかった。
吐き気が収まるまで洗面台によりかかっ
たままで、それがようやくおさまると口元
をゆすいで二段ベッドに戻る。
そんなことを一晩の間に何度も繰り返し
た。
文字通り体も心もボロボロで、泥のよう
に眠りたかった。
しかしその日も、その次の日も、疲労で
眠りかけた体に悪夢と吐き気が何度も襲い
かかった。
そんな状態では学校を休んでも体調は回
復どころか悪化の一途を辿った。
今日こそ病院にと言う母に、他人に肌を
見られるのは嫌だと拒否した。
フラつく足取りでベッドに戻ったら登校
前の駆が心配そうな顔で待っていた。
でもその顔を見るのも辛くて、逃げるよ
うに二段ベッドの上段に上がる。
母が追ってきたようで、立ち尽くしたま
まの駆を学校へと促した。
駆は一言二言言ったようだが、諦めて部
屋を出て行った。
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