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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「はい、ココア。

 熱いから気を付けてくださいな」

「あ、ありがとう」


 無心になって原稿を二つ折りにしていた

ら、いつの間にか戻ってきていた莉華が手

の届く距離にカップを置いてくれた。

 このマグカップももう何年も使っている

マイカップ。

 マグカップだけじゃなく、よく泊まるこ

とが多いからパジャマや歯ブラシなんかも

置いてあったりする。

 従弟と言うよりは同い年の姉妹に近いか

もしれない。


「それにしても…このページ数はさすがに

 多すぎじゃない?

 あんなに折ったのにまだ終わらない量っ

 て…」

「何を言ってますの?

 これが高校生活最後の冬コミなんですの

 よ?

 このくらい豪華にしたっていいじゃあり

 ませんの」


 莉華は当然という顔をするけれど…そも

そもおまけ本というだけあって、最初は本

当におまけとして数ページの薄いコピー本

だった。

 オリジナルの小説という、なかなか手に

とってもらいにくいジャンルだから、買っ

てくれたお礼にと始めたのが事の発端だっ

たみたいで。

 でもいつの間にかその薄かったコピー本

は少しずつ厚くなっていき、莉華が紙や糊

の質にこだわり始めた頃にはそこそこの部

数が必要な状況になりつつあった。

 でも今年のボリュームはもう「おまけ」

という可愛いレベルじゃない。

 挿絵まで描いてもらった分余計にページ

数は増えて、コピーで作るんだ?という厚

み。

 それでも手作りだと好きなようにできる

のがいいんだと莉華は聞かないけれど。


 まぁこれで最後かもしれないし、冬コミ

までは付き合ってあげようかな…。


 もうここまで付き合ってしまったからに

は、ここだけ投げるのもどうかなと思って

しまった。

 別に恋人がいるわけじゃないし、特別な

用事があるわけでもないクリスマス。

 年末の冬コミまで手伝えば区切りよく終

れる気がする。





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