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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「おはよー…」


 寝間着姿のまま誰よりも遅くやってきた

のは弟の幸也。

 寝癖で髪が跳ねてるし、まだ目が思いっ

きり眠そうだし、お腹出してポリポリ掻い

てるし、毎朝のことながらだらしない。


「おはよ。今頃起きたの?

 さっさと顔洗ってきな」

「いいけど…ねーちゃんがさっさと風呂入

 らないからだろー。

 あ、そっか。

 ねーちゃんは女じゃないか」


 ゴツン

 寝起きから減らず口を叩くので問答無用

で鉄槌を食らわせた。


「いってー!暴力女!」


 頭を押さえて睨んでくるバカは無視。


「チェーッ!

 せっかく気をきかせてやったのにー」


 ブツブツと文句を続ける幸也の後に続く

ように母さんが大きな声を上げた。


「あらあら二人とも!

 このままじゃ遅刻するわよ!

 父さん、車で送って行ってくれる?

 あなた、秋月さんだったかしら、お家は

 近いの?」

「あ、はい。走ればなんとか」

「じゃあ早くお家に帰って準備してきなさ

 い。

 親御さんも心配してらっしゃるでしょう

 から。

 アキラ、幸也!

 時間ないんだからさっさと準備しちゃい

 なさいっ。

 子猫ちゃんはこっちいらっしゃい。

 おばちゃんとお留守番よ」 


 母さんの号令で一斉に散った。

 彼女は子猫を母さんの手に預けて何度も

繰り返し頭を下げていた。


 よかった。

 とりあえず今日は安全な場所であったか

い寝床とあったかいご飯が食べられるよ。

 いい里親がみつかるといいな。





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