悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
子猫を撫でている手が止まった。
不安げな目が子猫を映すと子猫は小さな
声で鳴いた。
「詳しいんだね…白浜さん」
「昔、飼ってたから。
老衰で死んじゃったけど」
彼女は何かを決意したようにキュッと唇
を引き結んで顔を上げた。
「この子、預かってもらうことってできな
い?
うちで飼えないか聞いてみて、無理なら
引き取ってくれる人を探そうと思う。
その間だけ」
「きゅ、急に言われても…。
親にも相談しないといけないし」
無責任な善意は善意じゃない。
だから預かるなんて簡単には言えない。
ポケットに手を入れてスマホで時間を確
認する。
……………ダッシュで帰って母さん達に
確認とってここに戻ってきて、もう一度帰
ってシャワー浴びて学校…だったらさすが
に間に合わない。
でも、ここに置き去りにしたら何がある
かわからない。
「今日、学校から帰ってくるまでならなん
とかする。
ここに戻ってくる余裕もないから。
それでいい?」
ペットシートとか使ってもいいタオルと
かあったかな…
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