悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
まだ冷たい朝の風が頬を撫でるのが気持
ちいい。
日課にしているランニングで程よく温ま
ってきた体が朝の空気でいっぱいになった
気がして心地いい。
まだ目覚めたばかりの街は車の通りもな
く静かだ。
自然と足も軽くなって見慣れた景色のわ
ずかな変化に目を向ける。
いつものコースを回って最後に公園に立
ち寄る。
ジャージのポケットに手を突っ込んで小
銭を自販機に入れた。
灯る赤いランプ。
スポーツドリンクのボタンを迷わず押し
て、額から流れる汗を肩にかけてあるタオ
ルで拭った。
プルタブを開けて冷たい水分を喉に流し
込む。
火照った体には気持ちいい。
朝のランニングは好きだ。
静かだし、気持ちいいし。
一人でいられる。
誰にも気を遣わなくていいし、男でも女
でもいなくていい。
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