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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 ちょっとムッとしたけど、ふと以前言わ

れたことを思い出す。

 毎日授業中を睡眠時間にあてるほど家で

していることがあるはずだ。

 いや、学年トップの成績をキープするく

らいだから勉強もしているとは思うけど。


「このゲームが暇潰しなら、暇潰しじゃな

 いことって何なんだよ?」

「秘密」


 一瞬たりとも迷う暇もなく西門は言い切

った。


「なんだよ、ケチー。

 ちょっとくらい教えてくれたっていいの

 に」


 気になるから教えてくれないなら思わせ

ぶりな言動はしないでほしい。


「そんなことよりオマエこんなとこで遊ん

 でて平気なの?

 もうすぐテストだろ」


 …授業時間無視で爆睡してる奴に言われ

たくない。

 これで成績も赤点ギリギリだったら言い

返せるんだけど、ウチの学年のトップ様に

何か言ったらチクチク嫌味を言われそう

だ。


「授業ほとんど聞いてないのになんであん

 な点数とれるんだよ?」

「ココのデキが違うから」


 トントンと自分のこめかみを人差し指で

つつきながら西門はハッキリ断言した。


 …なんだろう。

 ものすごくバカにされているような気が

する。


「よし、わかった。

 じゃあ今回のテストで一教科でも西門よ

 りとれたら暇潰しじゃないことが何なの

 か教えてくれるよな?」

「はぁっ?教えてやる義理ねーし。

 そもそも一教科とか…言ってて恥ずかし

 くないのかよ?

 そうだな…オール教科越えたら考えてや

 ってもいいぜ?」

「俺に首席とれっていうのかよっ?!」


 しかも全教科満点でも狙わない限り西門

の点数を超えるなんて無理だ。

 まさにEXモードでパーフェクトを狙う

様なもの…かもしれない。


「そのくらい簡単だろ?」


 西門の笑顔が憎い。

 授業中あんなにガッツリ寝てるならテス

ト勉強はそこそこ苦労しているはずなの

に。


「じゃ、じゃあもし西門より高かったら絶

 対教えてもらうからなっ」

「どーぞ。

 せいぜい頑張れよ」


 悔しくて勢いだけで言ってしまったけ

ど、自信なんて微塵もない。

 西門はそんなことお見通しという涼しい

顔で頭を叩いてくる。


 くっそー。

 勉強してやるっ。

 兄貴に頭下げても、高瀬達に頼み込んで

でも、西門を超えてやるっ。

 そして西門の秘密を聞き出すっ!


「よーし、俺帰って勉強するから!」


 “じゃ!”と片手をあげてゲームセンタ

ーを後にした。





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あきゅろす。
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