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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 翌日もキスだの煩かったクロードを置い

て高瀬や加我と学校から連れ立って帰っ

た。

 全てはタイミングよくかかってきた電話

だ。

 誰かは知らないけど、電話してくれた人

ありがとう。


「英語はそこまでじゃないけど数学はさす

 がにキツイかなぁ…」


 今日もまたテスト範囲が発表になって…

まぁ昨日と似たような流れだ。


「橘先生もサラッと進むからな」

「うん」


 イケメンだと人気の橘先生は女子のウケ

が非常にいい。

 若くて独身だと女子高生としてはトキめ

くものだんだろうか…よくわからないけ

ど。

 親切だし授業は確かに解りやすいんだけ

ど、なんたって数学は公式と応用の科目だ

から。

 まして化学のオーバー気味なテスト範囲

をタッグを組まれると凹みたくもなる。


 気は進まないけど、兄貴に頭下げて教え

てもらうしかないかなぁ…。


 それこそ引き換え条件に何を求められる

かわからないのが一番怖いけど。

 いや…こと勉強のことになると遠慮なく

スパルタ指導になるのも怖くないと言った

らウソだけど。

 ついでに90点とれなかった教科は冷や

やかな視線と言動でこき下ろして俺を凹ま

せたりするけれども。


「高瀬や加我はテスト勉強いつもどうして

 んの?」

「どうっていうのは?」

「いやぁ、ほら特別な練習法とかさ?」


 何かいい方法でもあるんなら取り入れた

い。

 裏ワザなんて都合のいいものは期待しな

いから。


「練習法かどうかはわからないが…テスト

 範囲はまんべんなくやってる。

 ある程度のヤマはあるだろうけどそれだ

 けじゃ理解したとは言えないし、点数も

 そこそこだろうから」


 なるほど。

 加我は真面目だなぁ、相変わらず。


「俺は夜更かししない事かな」

「え?」


 テスト勉強といえば深夜まで…というの

が通例みたいになってるけど、高瀬の口か

ら意外な言葉が出た。

 やっぱりテスト期間じゃなくてもコツコ

ツやっていればそれだけで済むんだろう

か。


「夜更かしって意外と効率悪いらしいよ?

 寝る前に簡単に復習して、早起きして勉

 強した方が記憶には残りやすいって聞い

 たから」

「へ、へぇ…」


 言われてみれば確かに兄貴も朝は強い。

 寝るのがどんなに遅くなっても朝になれ

ば先に起きて涼しい顔をして読書していた

りするくらいだ。

 やっぱり朝強いと得なんだろうか。

 早起きは三文の徳、なんて諺もあるくら

いだし。





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