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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 が、口を開こうとしたら、もうクロード

はボタンを押していた。


「あ…」


 流れ出すイントロと表示されたゲーム画

面。



「え、ちょっ…ボタン説明とかしなくて大

 丈夫か?」

「いや、今見てたので充分やろ」

「……」


 いいんだろうか、それで。

 しかし画面上にボタンのアイコンが表示

されるとまさにジャストなタイミングで一

つ目のボタンがヒットした。

 いや、まぁ最初だし…。

 ちょっと悔しく思いながらも行方を見守

っていたが、リズムをしっかりとらえてい

るのかリズムテンポが変わったところで数

回ミスは出しただけでほとんどミス無しで

クリアしてしまった。

 結果としてはノーマルモードで90%台。

 これが初プレイなんて、どんな運動神経

なんだろう…。


「なんや、簡単やないか」

「うるさい。聞きたくない」


 手応えが無さすぎると肩を回すクロード

の横で思わず体育座りをしたくなってしま

う。

 …余計に惨めになるからやらないけど。

 しかしクロードは調子にのったのか、そ

れともまだ遊び足りなかったのか、さらに

小銭を入れてゲームを開始する。


「なぁ、これ何?」


 難易度のモード画面を指さしながら聞か

れたから、ハードモードで遊べばいいとそ

っちへ誘導した。

 曲は選ぶのが面倒だったのかさっきと同

じ曲。

 でも同じ曲でも使うボタンの種類が増え

るし、押すボタンの数は増えるし、たまに

リズム感覚が狂うところが差し込まれたり

するから油断できない。

 しかし…。


「なんや、コレボタンの種類が増えただけ

 やんか」

「……」


 どうせね。

 どうせ俺はボタンの種類が少なかろうが

点数低かったよ。

 くそぉ…。


 悔しい思いをしながらも画面の映像を追

っていると使うボタンの種類が増えてもク

ロードはほとんどミスをしていない。

 押すリズムそのものは大して変わってい

ないと言われればそうかもしれないけど、

使うボタンの種類が増えれば押し間違いと

かだってある…と思うんだけどなぁ。





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あきゅろす。
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