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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 しかし体を逃がそうとしたのに、余計に

麗が体をくっつけてきたせいで俺はその生

々しい変化に気づいてしまった。

 押し付けられている麗の股間がパジャマ

越しでもわかるほど明らかに膨らんでい

る。


「れ、麗っ?なん、で…」


 思わず声が上擦る。

 もうキスマークごときで騒いでいる場合

ではなかった。


「僕ね、夢渡りのことを兄さんに知られる

 のがずっと怖かったんだ。

 知られて、拒絶されたらどうしようって

 …それが不安で不安で仕方がなかった。

 兄さんに嫌われたら、この先どうやって

 生きていけばいいのか分からなかった。

 泣き出しても収まらないくらい、ずっと

 怖かったんだ。

 兄さんの夢は、僕にとってはずっと失い

 たくない大事な居場所だから…」


 熱い吐息を首筋に吹きかけてきながら、

甘えるような仕草で項に頬擦りする。

 しかしぴったりとくっつく下半身でその

高ぶりを感じながらでは、余計に心拍数を

上げるだけだった。


「だから、嫌じゃないって言ってくれたの

 が奇跡みたいで、今もまだ信じられなく

 て…。

 まさか…これは夢じゃないよね?

 起きたらまた兄さんはこのこと忘れちゃ

 うなんて…そんなことないよね?」

「うん…。

 忘れない。忘れない、から……あっ」


 布団の中でモゾモゾと動く麗の股間は、

どう考えても意図的に俺の尻の膨らみを狙

ってその高ぶりを擦りつけてるとしか思え

ない。

 しかし俺の首筋に悩ましげな吐息をかけ

ながら高ぶっていく様は悩ましくて、俺に

羞恥や緊張以上の高揚をもたらした。


「れ、麗。そんなにしたら…」


 もう今更やめたところで出してしまわな

ければ収まりはつかないだろうに、それで

もなんとか麗にやめさせたくて声をかける

と俺の胴体に回っていた腕がパジャマの上

から胸を撫で上げた。


「ねぇ、ダメ…?」


 麗の熱が伝染したように布越しに突起を

押し潰されて思わず体が震える。

 麗は俺の答えを待ちながらも耐えきれな

いように繰り返し項に吸い付いてきて、麗

に肌を吸い上げられた俺は思わず鼻から息

を抜きながら喉を震わせてしまった。


「麗っ、待って。もう一つだけ…っ」

「なに?」


 このままでは麗の熱に流されてしまう…

その前にもう一つ重要なことを確かめてお

かなければいけなかった。


「一昨日の夢は…?」

「うん。見たよ?」

「一番最後の夢、も…?」

「うん」


 あぁ、そうか…。

 だから麗は…。





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あきゅろす。
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