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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 …でもだからって長居するのは危険、か

な?


 クロードがその気になったら抗えた例が

ない。

 掛け流しの温泉に先に温まっている俺の

方がのぼせるのは早いだろう。

 客室内とはいえ、エッチしてたら脱水症

状起こしました…なんて恥ずかしすぎる。


「お、俺、そろそろ上がろうかな」


 きっとクロードの腕の中に捕まってしま

ったらアウトだ。

 苦笑いに近い笑いを浮かべながら温泉か

らあがろうとしたら泡をのついた手で手首

を掴まれた。


「もうちょっと待ってや。5分だけ。

 な?」


 え…5分だけでいいのか?


 まさか5分でなんて…さすがにそんな早

くないことは知っている。

 だとしたら、純粋に一緒に入りたいだけ

なんじゃないだろうか。

 それなら後5分くらいは待ってもいい。


「じゃあ、あとちょっとだけ…」


 立ち上がりかけた体をもう一度温泉の中

へ戻す。


「おおきに」


 そう言ってニカッと笑ったクロードは全

身の泡を洗い流す。

 欧米の多くの地域ではほとんどシャワー

だけ、バスタブにお湯を張っても数10セ

ンチで烏の行水状態…らしい。

 そんなクロードが日本式の作法で入浴し

てくれるのは郷に入れば郷に従えというの

を実践しているらしかった。

 何より俺に俺と一緒に入りたいからと言

われた時にはやっぱり嬉しくて、そのクロ

ードが待ってくれと言うなら5分位待って

あげてもバチは当たらないと思う。


 …まぁ、変な悪戯しないのが大前提だけ

ど。


 体の汚れをすっかり洗い流したクロード

がようやく檜の浴槽の中に入ってきた。

 シャワーだけの入浴に慣れた体には少し

熱いかもしれないが、先ほどまで雪の中に

いたのだからちょうどよく体をほぐしてく

れるんじゃないだろうか。





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