[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 俺は友達だと…思ってんだけどなぁ。


 しかしいかに友情と言えども一方通行で

は成り立つわけもなく…。


「はぁ…」

「うん?どないしたん?

 スノーマンできたのに嬉しくないん?」


 カイルがある程度の距離で立ち、スマホ

をいじっているのを見ながらクロードが肩

を抱いてくる。

 記念撮影の為だろうと肩は抱かれるまま

に預けながら思わず零してしまった。


「いや、これはクロードには関係ない。

 俺とカイルの問題だから…」


 カイルをじっと見ながらそうぼやいて…

クロードがその時どんな顔をしていたかな

んて俺は知らなかった。






 サブ…


「あっつ…」


 かまくらを作ったり、最後には雪合戦を

したりで遊び倒したせいか、体はずいぶん

冷えきっていた。

 ホテルに戻ってきて体を手早く洗うと、

掛け流しだという客室の温泉に体をゆっく

りと沈ませる。

 この浴室からは最上階なだけあって窓か

ら見える雪景色が一望できた。

 風情のある景色を楽しみながら体の芯か

ら温める熱に包まれてゆるゆると体が解れ

ていくのを感じて全身を投げ出していると

浴室に続く扉が開いた。


「クロード…。

 あれ、後で入るって言ったのに…」


 何となく浴槽の中で体を折り畳んでクロ

ードの視線から隠してしまったのはもう癖

だ。

 しかし一緒にお風呂に入ったら絶対にの

ぼせるから嫌だと言った俺に先に入るよう

に言ったのは他でもないクロードのはず

だ。

 それが何故すんなり中に入ってきている

のか。


「ええやん。

 やっぱり体が冷えて寒かってんもん」


 クロードは悪びれもせずに笑う。

 先ほどのかまくらを作ったり雪合戦して

いた最中にどこか影があるように見えたの

はやはり気のせいだったのかもしれない。





[*前][次#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!