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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「ほな、記念撮影しよ?

 せっかく作ったんやし」

「あ、じゃあカイルも…」

「カイルはカメラ係な」


 振り向いて呼ぼうとしたら何の迷いもな

くクロードは言いきった。

 本当に一緒に楽しむつもりがないらし

い。


「クロード…。大人げない…」


 かまくら要員とか言ってこんな日に呼び

出しておいて、一人仲間外れはどう考えて

も心が狭いだろう。

 じとっと睨むがクロードは肩を竦めるば

かりだ。


「…消さなかっただけ情け深いと思うけど

 なぁ」


 真顔でぼやく内容が笑って聞き流せない

けれど、ここはスルーすることにした。

 元よりカイルに対する接し方が違うのだ

から仕方ない。

 それに以前のことをまだ根にもってるん

だろう。


「カイルーっ。写真撮ろうぜ!」

 口の横に手をあてて名前を呼び、大きな

動作で手招きする。

 2人で作っていたかまくら用の雪山はあ

る程度の大きさになっていた。

 その周りを固めていたカイルが俺に呼ば

れてこちらを向く。


「何かご用でしょうか、クロード様」


 やってきたカイルは相変わらず呼んだ俺

じゃなくてクロードに向かって膝をつく。

 好かれているとは思わないけど、さすが

にこの態度はいかがなものなのか。


 …それともそれだけカイルに嫌われてん

のかな、俺…。


 嫌煙される理由が思い当たるだけに面と

向かって強くは言えないけども。


「記念撮影したいねん。

 もちろん、撮るやろ?」

「Yes,my lord」


 機械のような正確さで礼をし、いつも通

りの抑揚のない声でそう答えたカイルはク

ロードの手からスマホを受け取る。

 こんなにあっさりされては、大人げない

とクロードを睨むくらいではカイルは動か

ないかもしれない。





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あきゅろす。
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