悪魔も喘ぐ夜 * 「お兄ちゃん、いいで…しょう?」 麗が焦れたように頬にキスをして、耳元 に吐息をかけてくる。 その声が切なげで、胸を締めつけられ る。 それでも、やはり教えてやるべきなの か…。 ピッタリと密着してくる麗の体はじわ じわと熱を持っていくようだ。 「麗…」 いつまでも返事をしない俺に焦れて服 の下に手を忍ばせようとする麗の手首を 掴んで止めた。 「ダメ、なの? ぼく、もうガマンできないよ…」 体に熱が籠って辛いのか、麗は目を潤ま せて俺を見上げてくる。 「そうじゃない」 幼子をあやして言い聞かせるように言葉 を続ける。 [*前][次#] |