悪魔も喘ぐ夜 * 「あっ…!」 名案は…浮かばなかった。 浮かばなかったが、そろそろ兄貴が帰っ てくる。 寝ていた兄貴のベッド、大丈夫だろうか。 …まぁあんなことをしておいて文句言っ ても聞いてやらないけど。 それでも今夜兄貴が寝るだろうベッド だ。 チェックがてら整えてやってもいい。 「…っしょ」 腰は相変わらず重かったが、休息のおか げかゆっくりでなら歩けるレベルにまでは 回復している。 ついでにいい加減服も着てしまおうと、 まずは自分の部屋に寄って衣服を身に着け た。 その足で兄貴の部屋に再び足を踏み入れ る。 「………」 うん。とりあえず換気だ、換気。 ゆっくりと窓に歩いていって窓を開け た。 後方のドアを開けたままにしていたおか げで、夕暮れが終わって夜の帳がおりてき ている空から涼しい風が入ってくる。 [*前][次#] |