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悪魔も喘ぐ夜
*


 チュッ

 唇を吸われるリップ音がして、ようやく

自分のおかれている状況を理解した。


「わっ!なっ、何するんだよっ?!」


「何って毎朝のスキンシップやないか」


「学校ではするなって言ったじゃないか

 っ!」


 まったくもうっ!

 兄貴もクロードも何考えてるんだっ!


 クラスメートは慣れたもので“また始ま

ったよー”と呆れている。

 そこへ担任の桜内先生が教室に入ってき

た。


「もうHRはじめるぞー。

 席につけー!

 …お前らもイチャつくなら学校終わって

 からにしろ」

「いっ、イチャついてませんっ!」


 チラッとこちらを見た桜内先生になんと

も言えない残念な視線を向けられて慌てて

クロードの腕の中から抜け出して席につ

く。

 当のクロードは気にもしていない風で俺

の隣の席についた。


「駆、放課後は用事あるん?」

「放課後?新聞部の部活動の日だから」

「あー、せやったなー。

 俺も出ないとあかんかったんやった」


 …あれ?

 クロードって新聞部だっけ…?

 いや…何部だったっけ…?

 おかしいな…。

 クロードのことなのに忘れるなんて…。


「クロードって…新聞部、だったっけ?」

「何言うてるん?

 駆と同じ部活に入ろうって言って入った

 やないか」


 頬杖をついてこちらを見ているクロード

を見ていると、そんな気になってくる。


「あー…そうだったっけ。

 そう…だよな。

 なんで忘れてんだろ、俺…」


 頭を掻いて苦笑いした。

 どうも今日は調子が悪いらしい。

 そんな日もあるよな、とそれ以上気にす

るのはやめた。





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あきゅろす。
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