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悪魔も喘ぐ夜
*


 もう、なんでもいいからどうにかしてく

れ…。


 中途半端にされたままの体の熱が思考ま

で侵食していく。






 と、ふと…視界が暗くなった。

 いや、違う。

 暗くなったんじゃない。

 部屋が暗いんだ。

 すぐには目が慣れなくて動けない。

 とにかく目覚めることができたらしいこ

とに気づいてほっと安堵し、心のどこかで

拍子抜けする。


 ぴちゃぴちゃ

 濡れた音がする。

 ダイレクトに胸の片方の突起に生温かい

感触が触れた。


「麗っ…?!」


 見知らぬ青年の姿はもちろんなく、代わ

りに麗が俺の上に馬乗りになって突起を舐

めていた。


 まだ悪夢の中なら覚めてほしい。

 こんなの悪質にも程がある。


「ふふっ。

 お兄ちゃん甘ーい」


 寝ぼけているのか、もしくは酔っている

のかという呂律の回り具合で麗はおしゃぶ

りを続けている。

 とにかく目覚めてしまえれば体は動く。


「麗、寝ぼけてるだろ。

 布団かぶってちゃんと寝ろ」


 麗を引き剥がそうとしたら咥えている突

起をやや強く噛まれた。


「っう!」

「ダメだよ、お兄ちゃん。

 ぼく甘いのだーい好きなんだから」


 …寝ぼけてるのか。

 菓子か何か食う夢でも見てるんだろう。


 でなければ俺の体を舐めしゃぶって何が

甘いのかわからない。





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