悪魔も喘ぐ夜
*
けれど絶頂には肝心の刺激が足りない。
突起への愛撫は巧みになっていくのに、
それ以外は興味がないとでも言うように触
れようともしない。
生殺し…。
下肢に熱を溜めこみながら、終わりの見
えない夢に終わりを求める。
まともに言葉が発せるなら俺は何て言う
だろうか。
“やめてくれ”?“もっとちゃんと”?
嫌だ。考えたくない。
何度も何度もイかせてくれと懇願し、失
神するまで揺さぶられた夜を思い出してし
まう。
違う。
あんな浅ましいのは俺じゃない。
どうかしてたんだ…。
蘇ろうとする記憶に必死に言い訳する。
奥まで穿たれながら何度も達して、なの
に何度放っても足りずに泣きながら腰を揺
すった、その記憶に。
引き出されるように思い出してしまうと
カッと耳まで熱をもった。
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