悪魔も喘ぐ夜 * 青年の手が頬を撫でる。 そして、額、頬、唇、首筋…と上から辿 るように唇をあてていく。 やっぱりくすぐったい。 唇の感触も、素肌にかかる吐息も。 唇が心臓の近くに触れた。 どうするんだろう、とぼんやり考えてい る間に突起がその唇に食まれた。 「っ…?」 最初は遠慮がちに舌先で突起をつついて いたが、間もなくその生温かい舌が突起に 絡みついてきた。 「んっ…」 弾力のある濡れた感触が飴玉でも転がす ようにその口内で突起を弄ぶ。 鼻にかかったような吐息を逃がして、ど うやら本当に目覚めないとまずいことにな りそうだと自覚する。 こんな感覚は覚えなくていい。 こんなことで気持ちいいなんて…間違っ てる。 [*前][次#] |