悪魔も喘ぐ夜
*
やっぱり両親と一緒に旅行に行けばよかっ
た…と泣き言を言ってもいいだろうか。
何から何まで余裕がなくなって行って、悪
化の一途を辿って行って、だからと言って何
をしたらいいのかもわからずに唇を噛んでい
るしかできない状況なんてひどすぎる。
「お兄ちゃん?どうしたの?」
…とりあえず夕食を食べるしかできること
はなさそうだ。
“一緒にお風呂入りたい”と甘える麗を
なんとか説き伏せて手早くシャワーだけで
済ませてしまう。
湯船に浸かるほどの余裕は体にも心にも
ないから。
自室に戻ってきて、ベッドに腰掛ける。
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