悪魔も喘ぐ夜
*
「今日も学校楽しかったか?」
「うん。
今日は英語の授業で発音が綺麗だって先
生に褒められたんだよ。
でも今が1番楽しい。
お兄ちゃんといられるから」
誇らしげにちょっと胸を張って見せるも
のの、すぐに抱き着いてきている肩に横顔
を擦りつけてくたっと力を抜く様がなんと
も言えない。
質問したこちらの方がくすぐったい気持
ちになって、麗の頭を撫でた。
「お兄ちゃんは?」
「うん?うん…楽しかった、かな…」
質問を返されると辛い。
いやがおうでも休み時間の一件を思い出
してしまう。
兄貴は今日も生徒会か塾で遅くなるだろ
う。
兄貴に捕まる前に眠ってしまわないと、
今朝の一件もあるし昨日のこともあるしで
落ち着けない。
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