悪魔も喘ぐ夜 * 「お兄ちゃん、 今夜はもうおやすみなさいなの?」 夕食を食べて、パジャマに着替えて、歯 を磨いて、ベッドに潜り込もうとしたのは 確かにいつもなら考えられないような早い 時間。 当然、兄貴はまだ帰ってきていない。 「まだ体の調子悪いの?」 心配そうに覗きこんでくる麗に大丈夫だ と苦笑いで答えて頭を撫でる。 まさか兄貴と顔を合わせたくないからな んて本音は言えない。 結局ぐずる麗を説得しきれずに、今夜は …と一緒に寝ることを承諾してしまったの だが、俺が寝ようと思っていた時間は中学 生の麗にとってすら早すぎる。 [次#] |