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悪魔も喘ぐ夜
*


「まぁ、ええよ。

 今夜中にケリつくかもわからんし、待っ

 ててくれたとしてもいつ帰れるかわから

 んしな。

 けど、約束してや?

 その可愛え体に誰にも指一本触らせんっ

 て」


 やっぱり行ってしまうのかと熱を燻らせ

たままの体がじわじわと理解する。

 快楽の責め苦から解放されるなら喜ばし

いはずなのに、ちっとも嬉しく思わないの

は何故なのか。

 その理由はまだ知りたくない。


「明日はどんなに遅くなっても学校に来る

 から、絶対に待っててな?」


 “明日”

 その単語にトクンと胸が高鳴る。

 クロードが学校に来ても来なくても、授

業を欠席するつもりはない。

 よほどの要求でなければ俺がクロードの

身体チェックを拒むこともないだろう。

 だけど、それが決して気持ちいいだけの

ものではないとわかっているのにどうして

嫌だと思えないのか自分でも分からない。

 今の問いを繰り返され、イクこともでき

ないまま快楽で炙られ続けることは決して

優しいことではないだろう。

 それなのに…。

 戸惑いながら小さく頷くとクロードはよ

うやく笑みを浮かべ、まるで約束のキスの

ようにさっきまで先走りを溢していた先端

に吸い付いた。


「あッ、あぁッ…!」


 もうこれ以上続きはないと燻りが下火に

なりつつも疼いていた体に一気に火が点る。

 先端から中に残る先走りを吸い取ろうと

する行為にビクビクと腰が震える。

 腰が揺れ、危うく放ってしまいそうにな

る寸前でクロードの唇が離れる。


「も…バカぁっ…」


 すっかり天を突く角度を取り戻してしま

った股間が悩ましくて吐息を逃がしながら

クロードを恨めし気に睨む。

 しかしクロードは悪びれもせずに笑うだ

けで、立ち上がって俺を抱きしめた。


「堪忍してや。

 最近ずっと会えんかったから我慢できへ

 んかったんや。

 明日、駆がちゃんと待っててくれたらた

 っぷり気持ちようしたるから。な?」


 左右の頬と唇に触れるだけのキスが落ち

る。

 そんな約束は意地でもイクことのできな

い俺にとってはただの快楽地獄でしかない

というのに、嫌だと首を振ることができな

い。

 かといって頷くことなど到底できない俺

をもう一度ちゃんとぎゅっと抱きしめて、

クロードは屋上から去った。

 俺はと言えば、いつまでも下半身を剥き

出しにしたままにするわけにもいかず、な

だめすかしてようやくズボンの中に収めた

股間から苦も無く歩ける程度には熱が引く

までじっとそこで空を見上げていた。

 自分がこれから先をどうしたいのか、わ

からなくて。




 純血の淫魔の体液を侮っていたという後

悔は、家に帰り着くまで続いた。

 衣服が股間や突起を擦る度に燻っていた

熱がぶり返しそうで、今日はとても授業に

集中できなかった。

 それどころか移動すら大変で、何度も膨

らみそうになる股間にいつ気づかれるかも

わからない恐怖は地に足がつかない位だっ

た。

 今日は家事の当番にあたっていないのは

幸いで、家に帰り着くなり迷わず自室のベ

ッドにダイブした。


「はぁ…っ」


 安堵の吐息を吐き出しながらも、膨らみ

かけの股間がベッドに押し付けられる刺激

もたまらない。

 もう誰の目もないとわかれば我慢する必

要もなく、ベルトを外してジッパーを下ろ

し中から中途半端に高ぶったモノを取り出

した。

 掌で直に触れるとようやく体内の熱を解

放できるという期待感に股間が震えた。

 そっと指を添わせてゆるく扱いてやると

それだけで今日一日耐えた股間は頭をもた

げていく。





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