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悪魔も喘ぐ夜
*


「やったら、なんで迷ってるん?」

「迷ってなん…っ」


 どういう目で見たらそんな風に見えるん

だとムキになって顔をあげたら…やられた。

 何か温かいものが唇に触れたと驚いてい

る間に言葉の先がクロードの口内に消えた。

 それがクロードの唇だと理解した時には

もう遅く、ぽかんとしていた俺の口内に舌

が滑り込んできた。


「んんっ、ふ…っ」


 いつの間にか腰を抱き寄せられていて、

慌てて顔を反らそうとしたけれど後頭部を

抑えられてそれも出来なかった。

 唾液に濡れた舌先が味わうように口内の

粘膜をたっぷりと撫でる。

 “まずい”と思った時にはもう逃れよう

のない熱が股間に落ちていた。


「んふぅっ…」


 さすがに流し込まれた唾液までは呑み込

んだらまずいとやむなく口の端から零した。

 それを咎めたのかそれとも気紛れなのか、

腰に回されていた掌が尻を撫で降りてズボン

越しに尻の間に割り込んできた中指が奥の蕾

を狙いすましたようにグリグリと刺激した。

 イキたくて震える股間にはその刺激でもた

まらなくて、ズボンの中で放ってしまいたい

ように脈打つ。 


「なんや。飲めばええのに」

「も、バカぁっ。イクッ、イクからっ」


 涼しい顔で笑っているクロードが憎らし

い。

 唾液を飲んだらそれだけでイッてしまう。

 股間に触れるどころか、ズボンさえ履い

たままでだ。

 そんなことをすれば間違いなく授業に出

られなくなるだろう。

 それでなくとも放たなければ収まらない

熱が股間で暴れているのに。


「ぁっ、イクからッ、触んな…っ」

「イッてええよ?

 “クロードの恋人になるからイかせて”

 って言うたらなんぼでもイかせたるよ」


 涼しげな顔のクロードにとんでもないと

首を横に振ると、ズボンを押し上げる熱に

は一切触れずに後ろの蕾をしつこく刺激さ

れる。

 ズボンと下着越しの刺激なのに蕾はその

指を引き入れたくて縁が切なくヒクつく。

 クロードにはそんなことはお見通しなの

か高ぶりには指一本触れず、ひたすらに蕾

を突き上げるような指の形でグリグリと押

し付けてきた。


「あっ、やだぁッ、イクッ、イクぅっ」

「俺のものになる?」


 ガクガクと震える膝は限界だけど、それ

でもそれだけはダメだとなけなしの理性で

首を横に振る。

 するとクロードは俺が自分の足で立って

いられなくなるまで同じ問いかけを繰り返

し、危うく放ちそうになる手前でお茶を濁

すように指を逃がした。

 絶妙な指加減で繰り返される煽りと問い

かけは最後の理性を弱火で炙り、火照った

ままいつまでも解放されない快楽は拷問で

しかない。

 繰り返される問いの合間、もっと奥に指

が欲しいと無意識に腰を突き出したところ

で嫌な感触が股間を撫でた。


「っ…」


 はち切れんばかりだった股間には一滴も

零すなというほうが酷だったのかもしれな

い。

 だがこのままでは更に濡らしてしまうと

分かれば迷っている余裕はなかった。

 明るい太陽の下でベルトを外してジッパ

ーを下ろす。

 待ってましたとばかりに顔を出した高ぶ

りは先走りを溢していた。


「あぁ、勿体ない。

 俺が全部飲みたいのに、殺生やなぁ」


 先端から零れる一滴でさえ惜しいとクロ

ードは残念そうな声を出すけれども、俺は

それどころではなかった。





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あきゅろす。
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