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悪魔も喘ぐ夜
*


「言ってくれないとわからないよ?」

「あっ……。

 奥…、いっぱい奥突いて欲しい。

 麗ので気持ちいいところ、沢山グリグリ

 してほしい」


 笑顔の麗に言われては逆らえなかった。

 何より体の奥が早くも疼いてきて堪らな

い。

 自制心や羞恥心といったものを欲求はあ

っさりすり抜けていく。

 ちゃんと頼みさえすれば麗はその通りに

してくれることは体のほうがよく知ってい

た。


「僕のが欲しいの?

 お兄ちゃんが気持ちよくなっちゃうとこ

 ろ、いっぱい擦って欲しい?

 お兄ちゃんのここが空っぽになるまで?」

「ぁっ…んんっ…」


 麗は言葉にしなかったところまで察した

ように尋ねながら滑る掌で股間の袋を遠慮

なく揉み出した。

 欲しいところへダイレクトに刺激がきて

悦ぶ体がはしたなく麗の手も、それ以上の

ものも欲しがってしまう。

 焦らされ発散できなかった欲望が体の奥

で渦巻きながらゆっくりと熱を取り戻し、

麗に解放してもらえるその時を待ちわびる。

 正気なら逃げ出したくなるような言動だ

という自覚はある。

 年下の幼さを充分に残す弟に奥まで穿た

れて果てるまで放ちたい…そんな願望はお

かしいと分かってる。

 まだ幼い高ぶりを体の奥で存分に貪って

イキたいなんて、兄として大切なものをい

ろいろ見失いすぎだろう。

 だけど…。


「気持ちいい?」


 もうすっかり期待する股間の熱が重力を

無視している。

 嫌がるどころかもう直接触れてほしくて

揺れるそれを知りながら麗は上目遣いで俺

を見上げてくる。


「もう、触って…」

「ふふっ。“どっち”を?」


 すっかり頭をもたげて揺れるそれが切な

くて小声で頼むと、麗はもう全てお見通し

な表情で問うてくる。

 快楽の海に漂い出した意識がドクンと脈

打つ。

 耳の奥で鼓動の音が煩くなるのを感じな

がら、ゴクリと喉を鳴らしてしまう。

 迷う事なんてないのに、そう言われてし

まうともう片方の方が触れてほしくてたま

らなくなる。

 濡れた指でたっぷり撫でて、何度も擦っ

て…掻き回していっぱいまで押し拡げてほ

しいのは…。


「う…しろ…」

「うん。よくできました」


 言葉にした瞬間、耳が火を噴くかと思っ

た。

 でも言った言葉を取り消すよりも早くニ

ッコリ笑った麗に唇を塞がれる。

 柔らかい唇に啄まれて、申し訳ない程度

に繕っていた理性が溶かされていく。





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あきゅろす。
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