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悪魔も喘ぐ夜
*


「なんや怒ってるん?

 そこまで警戒心剥き出しにされると傷つ

 くわぁ。

 とって食ったりせえへんって」

「全然反省してないだろ…」


 それにあんな脅され方をしたら警戒する

なというほうが無理だ。

 いざ体を差し出して、そのまま脅しで押

されてしまったらNoとは言えない。

 ものすごく不本意だけど。


「駆やって気持ちよさそうに喘いどったや

 ないか」

「っ!」


 淫魔の唾液で、先走りで、白濁で、どれ

だけ体が熱くなるのかを知らないでクロー

ドはケロッと言いきった。

 自分が言い出したことをあっさり覆した

ことも棚上げで、どうしようもない熱に翻

弄された俺だって同意しただろうと逃げら

れない一点を押してくる。


「…今日は絶対ダメだからな。

 ホントに見るだけ。

 破ったら…もう口きかない」


 ここを出たら薬をもらって兄貴と帰るの

だ。

 本当なら指でだって触らせたくない。

 俺自身が感知できない甘い香りに兄貴が

気づいたらどう言い訳すればいいのか。


「そんなに警戒せんでええって言うてるの

 に…。

 さすがに昨日の今日では駆が満足するま

 で体が動かへんから。

 駆が騎上位で腰振ってくれるんやったら

 別やけど」

「そんなことしないっ!」


 まるで欲しがってるのが俺みたいだ。

 本当に俺の言うことを聞いていないとム

ッとしながらも、本当に俺が流されなきゃ

いいだけだと分かって少しだけ安堵した。


「見るならさっさと見ればいいだろ」


 もう手が伸びてきても逃げないとぐっと

腹部に力を込める。


「なんでそんなに頑ななん?

 寂しいなぁ。

 あんなに可愛かったんに」

「自分の、んっ、胸に聞いてみたら?」


 クロードの手が俺の顎を引いて首筋をチ

ェックし、次いでその左手が肌を滑って突

起を下から指先で押し上げる。

 そんな所に隠せる痕なんてないと心の中

で突っ込んだけど、あからさまな愛撫にな

るまでは言い逃れするだろうとなんでもな

い顔で横を向く。


「ここ、なんで立ってるん?」

「寒いからっ。

 も、しつこい…っ」


 なのにクロードときたら何も言わないの

をいいことに調子にのって突起を摘んだり

押し潰したりして俺のスルーを許さなかっ

た。





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