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悪魔も喘ぐ夜
*


『俺の質問に答えてへんやろ。

 それとも…答えられないようなことして

 るん?』


 ただでさえ低い声がゾクリとするような

怒気をはらむ。

 目の前に時限爆弾でも置かれたような心

地で喉がヒクリと鳴った。


「べ、別にやましいことなんて何もない。

 それに心配してずっとかけてたのは本当

 だし」

『それやったら何処で何してるんか言える

 やろ』


 うっ…。

 答えを渋っているのは兄貴と一緒にいる

からだ。

 昨日の今日で、これだけ機嫌の悪いクロ

ードに兄貴の居場所を教えて…昨日のリベ

ンジなんて考えられたら困るから。


「ちょっと…出先。

 でも、ほんとにクロードが考えてる様な

 ことは何もないから」

『ふーん?』


 う゛っ…。


 沈黙そのものが圧力としてのしかかって

くるようで、電話越しに話しているだけな

のに息苦しさを感じる。

 でも、それでもあんな怪我している兄貴

にこれ以上何かあったら困るから言えな

い。


「クロードこそ、大丈夫だったのか?

 なんか、ごめん。

 兄貴とちゃんと話ができないままあんな

 ことになっちゃって…」

『ほんまや。

 殴られるし、消火器で粉だらけにされる

 し、スマホも壊れるし…俺が何した言う

 ねん。なぁ?』


 ぐっ…。


 どうやら昨日電話が繋がらなかったのは

スマホそのものが壊れていたかららしい。

 この知らない番号は新規契約かなにかし

て新しく手に入れた為だろう。


 で、でも麗は二人を止める為にそうして

くれたんだし。

 そもそもクロードだって電話口で兄貴を

挑発したじゃないか…。


 まぁ俺が言えば止められていたかもしれ

ないことだから、大部分は俺の責任だけど

も。


「あの…怪我は?大丈夫なのか?」

『全治2週間』


 どうやらクロードも病院に行ったらし

い。

 突きつけられた言葉は俺の良心を刺した

けど、今の俺にできるのは謝罪だけだ。





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