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悪魔も喘ぐ夜
*


 ズルズルと壁伝いになんとか歩いて着替

え一式を掴んで脱衣所に。


 パジャマの上着を洗濯機に放り込み、持

ってきた服に着替える。

 洗面台で汚れたパジャマのズボンと下着

をまとめて洗う。

 途中で腰に力が入らなくて何度か座り込

みそうになりながらもなんとか洗い終わる

と、洗濯機の中に放り込んだ。


 あとでスイッチいれにこよ…。


 早朝なのもあってとりあえずそこはその

ままにする。

 重い体を引きずるようにして部屋に戻っ

た時には軽く息切れしていた。

 カーテンと窓を開いて部屋に朝の空気を

取り込むと少し寒いくらいの風が頬を撫で

た。


「あ…れ…?」


 あの黒い車、もしかして…?!

 家の前に見覚えのある長い車体が停まっ

ていた。

 しかも昨日とは位置が違う。


 帰れって言ったのに帰らなかったのか?


 暫く動けずに見ていると、中から誰か出

てきた。


 やっぱりクロード…っ!!


 俺の存在に気づいているというように目

が合った。
 
 しかもその手に何か持っている。


 あれは…もしかして俺のカバン!?


 教科書やノートはともかく、財布や携帯

だってあの中に入れっぱなしだ。

 あれがないと困る。

 クロードが手招きするように手を振っ

た。

 取りに来いとでも言うように。





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あきゅろす。
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