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悪魔も喘ぐ夜
*


「ぼくね、考えたんだ。

 お兄ちゃんの歳に追いつくことは出来な

 いけど、お兄ちゃんが頼ってくれるよう

 な人になることはできるって」

「俺は別に…」

「聞いてっ」


 “別に麗を頼ろうと思ってアテにしてる

訳じゃない”と言いかけたら拗ねた声で遮

られた。


「今すぐ兄さんやあの人みたいになれって

 言われたら、身体的にも精神的にも無理

 だと思う。

 でもぼくの成長期はこれからだもん。

 まだこれから背だって伸びるし、声変わ

 りだってあるし、運動して体を鍛えたり

 勉強して将来の可能性広げたりもでき

 る。

 兄さん達が“今”なら、ぼくは“未来”

 で勝負したいんだよ」


 …うん、ぜひ勝負してくれ。

 俺以外の、ちゃんとした女の子と。


「いくらでも可能性があるって解ってるな

 ら、もっとちゃんと考えような?

 俺以外にいい奴なんていっぱいいるだ

 ろ?

 思春期を迎えればちゃんと女の子にだっ

 て興味を」

「ぼくはお兄ちゃんがいいの!

 お兄ちゃん以外なんて絶対にやだっ!」


 ぎゅううううッ!


 息苦しくなるほど抱き着いてきている腕

に力を込められた。





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あきゅろす。
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