悪魔も喘ぐ夜
*
「…冗談だったのに…」
腹なんか空いてない。
寝起きで、裸のままで寝てた上に、あん
な情事の後で、他人に体を拭かれていたか
ら会話に困った末に言ってみただけだ。
「とりあえず…」
悲鳴を上げる体を無理やり起こした。
体はほとんど丁寧に拭いてもらった後ら
しい。
残りを適当に拭き、いつの間にか準備よ
く用意されていた制服を着こんで、体を庇
いながら保健室の窓から抜け出した。
腰が痛い。体が重い。
悲鳴を上げそうな体と弱音を吐きそうな
心を引きずって歩く。
あのままあそこにいたら、こんなボロボ
ロな体でそのまま拉致監禁されても不思議
ではない。
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