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悪魔も喘ぐ夜
*


「このカードを切りなさい。

 占いたいことを念じながらね」


 ひとしきりテーブルの上で渦を巻くよう

に混ぜたカードを一つの山にして、裏向け

たまま俺に差し出してきた。


 よくわからないけど…まぁ夢だし。


 トランプをきるように、重ねられたカー

ドを何度かきった。

 適当なところでテーブルの中央に置く。

 そのカードを老婆はとって、上から数枚

目のカードを表を向けてテーブルの左側に

置いた。

 そしてまた上から数枚目のカードを右

へ、さらに数枚目のカードを奥へ、そして

手前に、最後に4枚のカードの中央に数枚

おきに表を向けて置いた。

 5枚のカードが十字を描くようにテーブ

ルの上に並べて、その他のカードはテーブ

ルの隅にのせる。


「吊るされた男、隠者、悪魔…」


 一瞬ドキッとした。

 絵札のことなんだろうが、嫌に気持ちを

ざわつかせる。


 なんだろう…。

 果物屋のおばちゃんに言われた時は何も

感じなかったのに…。


「恋人たち、塔…」


 その皺だらけの指先がカードを撫でて、

ふむ…と黙り込む。

 始める前はカード占いなんて…と思って

いたけれど、ロウソクが揺らめく暗闇で黙

り込む姿を見ていると何を言われるのか怖

くなってくる。
 




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