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悪魔も喘ぐ夜
*


 ズンッ!!


「っ!?」


 不意に腰に重たい衝撃がきた。

 触れてもいないそこが、制服の下で頭を

もたげてくる。

 あっという間にテントを作る股間は早く

出してくれと訴えてきて、俺はそれを両手

で囲うように隠すしかなかった。


「なん、で…っ!?」


 腰に力が入らず、後ろの門に腰を滑らせ

ながらズルズルとその場に座り込む。

 体が熱いなんてもんじゃない。
 
 今すぐ、出したい。


 快楽で目が潤んでくる。

 自分の体の変化に戸惑って呟くと、クロ

ードがしたり顔で見下ろしてきた。


「…効くやろ?

 半端な半魔みたいなのとは、効き方の次

 元が違うねん」


 動くことも言い返すことも出来ない俺の

前でクロードがしゃがみこんで俺と目線を

合わせてきた。


「今日はこれで勘弁したるよ、駆。

 でもお前は俺のもんや。

 その頭ん中、俺のことしか考えられんよ

 うにしたるさかい、明日から楽しみにし

 とき?」


 股間を抑えてその場にへたり込んで熱い

吐息を吐き出す俺の唇にもう一度触れるだ

けのキスを残すと、クロードはゆったりと

した足取りで道に出ていく。

 そこに空気を読むようなタイミングで黒

い高級車が滑り込んできて、クロードを乗

せたその車は街の中へと走り去った。


 その場にへたり込んだ俺は暫く動くこと

ができず、日が完全に落ちる頃になってよ

うやくのろのろと体を起こすと、玄関先で

出迎えた麗に謝ってそのまま浴室に駆け込

んだ。


 教室だけが安息の地だったのに、それが

あっさりと崩れ去ったのを感じながら。





[*前]

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