悪魔も喘ぐ夜
*
酸素を欲する脳が一気に酸欠に陥る。
呼吸をしたかったら、懸命に呑み込まず
にいるその唾液を飲み干すしかない。
ゴクリッ
「……ゲホッ、ゲホッ…!」
上手く飲み込めなくて顔を離したとたん
咽る。
「…あっまいなぁ…。
半魔なのにこないに甘いんか…」
ゼェゼェと肩で息をしながらクロードの
顔を見ると、夕暮れの赤の中で犬歯を覗か
せながら笑っている。
「なっ…にすんだっ…!」
咽たばかりで上手く言葉に出来ないなが
らも口元を拭いながらそんなクロードを睨
む。
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