悪魔も喘ぐ夜
*
「桐生君…大丈夫…?」
膝を抱えて声にならない声を上げていた
ら、上から天使の声が降ってきた。
いや、違った。清水の声。
「だ…大丈夫…じゃない、かも…」
半分涙目で弱音を吐いてから、なんとか
立ち上がった。
「あの…呼び出してごめん。
部長が今日の部活に記事の資料持ってき
てくれって言ってたんだ」
「資料?そんな大したものじゃないけど…
写真とかでいいのかな?」
「多分それでいいと思うよ」
小首を傾げる姿も可愛い…と思った途端
に、隣で腕組みして仁王立ちしている牧村
の視線がきつくなった。
なんだろう…。
牧村の監視がなくなる日はくるんだろう
か…。
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