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悪魔も喘ぐ夜
*


「……朝っぱらからウゼ…」


 それを見ながらボソッと低く吐き捨てる

人影に目を向けると、指定の制服を着崩し

て眠い目を擦っていた。

 …これで学年主席なのだから人は見た目

で判断したらいけないと思う。


「西門(にしかど)、おはよう。

 昨日夜更かししたの?」

「あー、ちょっと“ゲーム”してたら朝に

 なってた」


 そのゲームが何なのか一度聞いたみたこ

とがあるんだけど、“世の中には知らない

方がいいこともある”と不敵に笑いながら

はぐらかされた。

 そのせいで成績の良さも相まってか、そ

の“ゲーム”はハッキングだとかヤバイモ

ノだとかいう変な噂がたっていた。


「…まさかそのゲームをGW中ずっとやっ

 てた、とか?」

「だったら、何?」


 フフン、と鼻で笑いながらその目の奥に

光が宿る。

 敵に回したらいけない人間というのは、

もしかするとこういう人種なんだろうか。


「…何でもない。程々に、な。

 体壊すし」

「ハッ。ババアかよ」


 苦笑いで答えると肩をすくめて笑う西門

に髪をグシャグシャと撫でられた。


「わっ!西門っ!!」

「うぜーこと言うからだよ。バーカ」


 明るい笑い声を残して西門は窓際の一番

奥の席に着席した。





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あきゅろす。
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