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悪魔も喘ぐ夜
*


「そう。

 朝、秀の部屋に入った時におかしいと思

 ったのよ。

 男の子の部屋で、男の子の兄弟しかいな

 いのに、部屋中ひどく甘い香りがした。

 二人を部屋から出して、窓を開けて…あ

 なたに近づいてわかったの。

 甘い香りは駆からしてるんだって」

「そんなっ。

 俺、香水とかそんなのつけてないし!

 そんな甘い匂いのするようなものは…」


 まくしたてて、ハッとした。

 そう言えば、言っていなかったか。

 そんなはずはないのに兄貴や麗がしきり

に“甘い、甘い”って。


 母さんがそんな俺を見て、察したように

目線で肯定した。


「それがフェロメニアの体質。

 淫魔を香りで誘惑してやまない、特異体

 質」

「そんなっ!俺はそんなつもりじゃ…!」

「“特異体質”、なのよ。

 本人の意思は関係ないの」


 興奮する俺を、あくまでも静かな声で母

さんが返す。

 そうすると不思議と頭が冷えた。


「フェロメニアは香り始めたら枯れるまで

 香り続ける…昔そう聞いたの。

 もしかしたら、普段こんなにも香りが弱

 いのは駆が半魔…淫魔と人のハーフだか

 らかもしれない。

 そして秀や麗が溺れきらないのも、純血

 の淫魔ではないからかも…」





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