悪魔も喘ぐ夜
*
「ちょっと待って!
えっと…俺、人間じゃないの?
兄貴も?麗も?母さんも…?」
「えぇ、そうよ」
話がスラスラと進みすぎて怖い。
俺の理解速度を超えていて、軽くパニッ
クを起こす。
…これはドッキリなのか?
カメラでも隠してあるのか?
でも母さんの顔はあくまで真剣だった。
「秀や麗とした時、我慢できなかったでし
ょう?」
真剣…なのに言っている内容がそれを露
骨に思い出させて返事が出来ない。
けれど母さんはあくまでも表情を崩さな
いまま先を続けた。
まるで全部お見通しだと言うように。
「それはね、駆のせいではないの。
淫魔とはそういうものだから。
人が食べ物を食べた時に、唾液や胃液で
食べ物を分解して吸収するのと同じ。
淫魔は他者の生気を糧にしているから、
その生気を引き出すための成分が体液に
含まれているのよ」
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