悪魔も喘ぐ夜
*
時計の秒針がうるさい…そう思いなが
らも、少しうとうととしたようだ。
「お兄ちゃん…?」
囁くような麗の声が耳元でして、意識
が浮上した。
部屋は暗い。
風呂から上がって、やっぱり一緒に寝よ
うと忍び込んできたのか…。
寝起きで思考回路が鈍い。
麗なら…。
害は、ない…たぶん…。
ほぼ何も考えられない状態ながら、体を
ずらして麗が入れるスペースを作ると、麗
は嬉しそうにベッドの中に入ってきた。
「えへへっ。お兄ちゃん、大好き」
額や頬や唇にキスが降ってくるが、今は
眠い。
抱き着いてくる麗をそのままにして、意
識はまた眠りの海に沈みこんだ。
[*前][次#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!