悪魔も喘ぐ夜
*
「お兄ちゃん、どうしたの?
ぼくに教えて?」
一向に返事をしない俺に焦れたのか、麗が
額をこつんとあてて尋ねてくる。
どんな羞恥プレイだ、これは…。
もう心の中でツッコミをいれないとやっ
ていられない。
「……濡れタオル、持ってきて」
「うん?うん。わかった」
ようやくそれだけ言った俺に、麗は素直
に頷いて部屋を出て行く。
1階に下りて、タオルを濡らして戻って
くるまでにおそらく数分。
それまでに、少しでも状況を改善してお
かないといけない。
もともと兄貴が全部悪いんだっ!
心中で八つ当たりを繰り返しながら身を
捩ってベッドヘッドの箱からティッシュを
まとめて数枚抜き取る。
先ほど中途半端にずらされていたズボン
を下着ごと引き下ろして、ティッシュを下
にして体をなんとか起こした。
こんなことして…俺が腹壊したらどうす
るつもりだったんだ…。
おそるおそる指を伸ばして肌に指をあ
て、左右に引っ張って穴を拡げる。
それだけで奥から何かがゆっくりと重力
に引かれて流れてきて言葉を失う。
それが流れきるとおそるおそる自分の体
内へと指を入れた。
ぐちゅり、と嫌な感触が指先にあり、体
のほうも指の降れる感触にキュンッと締ま
ってしまう。
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